機械の構造的な違い

デジタル印刷機は文字や写真などからなる原稿をもとにつくった「版」にインクをつけ、これを紙に移して多数の複製をつくる機器です。一方、「版」をつくらずに原稿通りに写し取る機器をコピー機(複合機)といいます。デジタル印刷機とコピー機は見た目が似ているので、同種のものと思われがちですが、しくみや消耗品が異なります。このようにデジタル印刷機は「版」から複製をつくるので高速印刷が可能でコピー機のようにヒーターを用いた熱転写も不要なので省エネルギーです。

デジタル印刷機

元になる原稿データからマスターに孔を空けて版をつくります(製版)。この版をドラムに巻きつけてインクを塗り、プレスローラーで押えて紙に転写します。イメージ的には昔のガリ版印刷を機械を使って高速回転印刷するのと同じことです。

コピー機(複合機)

原稿をスキャナで読み取り、その絵柄に合わせて感光体にトナーを付着させて紙に転写します。そして、ヒーターで熱をかけローラーで圧力をかけることでトナーを紙に定着(熱転写)させます。ですので出てきた用紙は暖かくなってます。

どんなところで使われてる?

コピー機(複合機)については皆さまも既にご存知と思いますが、デジタル印刷機は一言でいうなら、全く同じものを大量に印刷するのに適し、またコピー機と比べて圧倒的に低コストでその費用も大変お得になります。しかも1,000枚印刷しても数分程度で出来上がってしまいます。仮にコピー機でこれをすると30分以上かかります。且つコピー機でこれをやると機械に過剰な負担がかかり諸々の故障原因にもなりかねません。

以上のことを踏まえよく使われてる業種としては、不動産屋さんのチラシ印刷、学校や学習塾の配布物印刷、メーカーさんの自社製品の取扱説明書印刷等々が代表的なものです。

表にしました。

 

印刷機(輪転機) コピー機(複合機)
印刷速度 たいへん早い
(100枚/分以上)
普通
(多くは20枚/分~36枚/分)
印刷コスト 安い (カウンター料金不要)
(1枚当たり実質0.2円程度)
カウンター料金が必要
(1枚当たり1.4円~3.0円)
機械の大きさ 大きい
(設置幅1m以上必要)
省スペース
(設置幅0.7m程度)
作動中の騒音 音が大きい
(日常会話に影響する)
かなり静か
機械の耐久性 丈夫で長持ち
(100万枚以上可能)
それなりに丈夫
(十数万枚が限度)
拡張性(多機能性)  同一原稿を大量印刷するのに特化  FAXやスキャナーとしては使用不可 コピー、スキャナー、プリンター、
FAX
機器本体の価格 90万~150万
(14,000円/月~26,000円/月)
50万~70万
(8,000円/月~12,000円/月)
よく使われてる
業界・用途
不動産業や学習塾 (チラシや各種取扱説明書等の印刷) 全業種 (法人だけでなく個人経営も含めた全事業所)

 

まとめ

コピー機(複合機)は事務所には必須のOA機器です。これ一つあればプリンター、コピー、FAX、スキャナーの役目を果たしてくれます。それに対してデジタル印刷機は大量印刷専用の機械です。デジタル印刷機はコピー機(複合機)の代用にはなりません。前項でも書きましたが不動産屋さんが新聞折り込み用のチラシ作成だったり、学習塾で生徒に配布するプリントだったりとかでよく使っておられます。そしてなによりも、まずはこの高速印刷を体感していただければきっと驚かれるとおもいます。見ていて気持ちいいほどのスピードで用紙が排出されますから。現実的に各ユーザー様はデジタル印刷機とコピー機(複合機)を用途に応じてうまく使い分けされておられます。デジタル印刷機で1点だけご注意いただきたいのは、いくら印刷枚数が多いといっても多種多様な原稿を少量ずつ印刷されるのには向いてません。あくまでも同一原稿を大量印刷するケースにその長所がフルに発揮されます。

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